
ハイレゾなロック進化論!!
ミュージシャン、作詞家、音楽プロデューサーであるサエキけんぞう氏のロック評論本。
1965年から1985年まで1年に1枚のアルバムを選出、計21枚のアルバムを深掘りすることで見えてくる、ロックの軌跡・ロックの進化を綴った本だ。
アーティストやバンドがどのようにアルバムを生み出し、そしてロックは生き長らえてきたか。アーティストの略歴やそのアルバムに至るまでの変遷、音楽的工夫や録音・ミックス技術、流行、ヒットチャートへの対応などを絡めて語られていて面白い。それはさながら「一番搾り開発秘話」とか「ウォークマン発明物語」みたいな、生き残りを賭けた企業の商品開発秘話を読んでいるような興味深さだ。
特に『マッカートニーII』でのポールの話は、まさにアーティスト生命を賭けた「リスキリングぶっつけ本番作品発表!!」といった趣で大変面白い。自分はビートルズやメンバーのソロに疎いので、このアルバムは未聴だけど、前後の作品も含めて聴いてみたい気にさせられた。また持ってるアルバムも本書に照らし合わせて聴き返したら、より深く楽しめるだろうし、音楽的興味も前後左右に広がるだろう。ロックファンの好奇心を揺さぶる本だ。
【Amazon商品ページ】ロックの闘い 1965−1985

音質改善としてケーブルジャケットをクリーニングする。こんなことを皆さんはやったことがあるだろうか。接点をクリーニングするというのは常識的だろうけれど、ケーブルジャケットのクリーニングというのは意外なことに思われるかもしれない。
ブラジル南東部の港町ポルト・アレグレを活動拠点とする女性SSW、ジゼリ・ヂ・サンチのデビュー作。2010年発売ということだけれど、日本盤は2011年12月に発売し、わたしは年明けの1月にたまたまタワレコで試聴したら、とっても気に入ってしまってその場ですぐ購入してきた。
誰でも好きなアーティストや好きなタイプの音楽があることだろう。さしずめ僕の場合だったら、フランク・ザッパやキャプテン・ビーフハートということになるのだけど、普段しょっちゅう聴くかというと状況はむしろ逆だったりする。それというのも本当に好きなものを聴くと、それだけで完全に満ち足りてしまって、他の良質な音楽に興味が湧かなくなってしまうので、あえて聴かないようにしている、というところが少なからずあると感じている。 
