ソニック・ユース『Washing Machine』(1995)
2009年9月22日 (火曜日)
今年発売された新作を買ったのがきっかけで、ここ最近は旧作を聴きかえしてみたり、持ってなかったものもレンタルして聴いてみたりしているが、そんななかで改めて気に入ってよくリピートするのがこの『Washing Machine』。
これは間違いなく廃人ロックの大傑作だ。
本作で展開されるのは、まるで核戦争終焉後を想像させる灰色の塵世界なのだ。死の灰が舞い、健康被害で生きていくことも困難な悪夢の世界。そんな中で唯一我々の心を救ってくれるのは、彼らが奏でる美しいノイジー・ロックだけなのだ。
僕はここでのギターが大好きだ。頭の中に麻薬中毒のセミが埋め込まれた人造人間の叫びのような音色とフレーズ。包み込むようなゆったりした曲が多いのだが、そこにギターが絡むと異様に聴き手のイマジネーションを刺激するのだ。
20分に及ぶ最終曲「The Diamond Sea」におけるギターノイズ終焉後の光景はなんと晴れやかなことか。
そう、本作は紛れもなくはgray dust worldにおける癒しと希望のブルースなのだ。