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好きな音楽紹介や日記

バド・パウエル『Jazz Giant』

2010年8月21日 (土曜日)
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412Y028CHXL._SL500_AA300_この前の日曜、久しぶりにバド・パウエルの『Jazz Giant』を聴いた。僕にとってバド・パウエルは特別な存在で、ジャズの中で一番好きな人だ。とはいっても、年中聴いているのかというと全く反対で、何かふと思いたった時にしか聴かない。普段は神棚に飾ってるとでも言ったら良いだろうか。

それというのも、バド・パウエルのピアノがのっぴきならない世界をこちらにぶっつけてくるからで、好きではあるのだけれど、普段はまともに対峙できないというのがその実情なのだ。

ライナーノートやジャズ書籍などを読めば書いてあることなのだけど、ジャズ・ファンの間ではパウエルのキャリアは前期・後期と二つに分けられてるようだ。パウエルは精神疾患のため入退院を繰り返していたのだが、入院中に受けたショック療法が原因で、天才の技に翳りが出てしまったと言われている。そこで、51〜53年あたりを境に前期・後期と分けられてるとのことなのだ。

それでこの『Jazz Giant』は前期の作品。1949年と翌50年に録音されたセッションを収録したものだ。先述の予備知識もあって、これが僕が聴いた初めてのパウエル作品であった。

まず、聴いてみればたちどころに分かることなのだが、この音楽は凄い。1曲目の「テンパス・フュージット」を聴いただけで、これこそ僕の運命の作品(人)だと確信した。

とにかく音が強いのが良い。胸の中の弦を直接ハンマーでゴツーン、ゴツーンと叩かれてる感じで、まるで精神の贅肉が落とされ、研ぎすまされていく感じがしてくるのだ。なんだか、人生を諦めてはならぬと喝を入れられてるような気持ちにすらなってくる。

しかも、速い曲だろうとバラードだろうと、この感触が変わらないのが尚良い。生命の輝きとでもいうものを、ズシーンと感じさせる。

それを理屈ではなくこちらに感じさせるというのが、本当に素晴らしいと思う。まさに問答無用。

久しぶりに聴いたら、なんだか精神が磨かれたような気分になったので(錯覚かもしれないけど…)、調子に乗って、続けて同じ前期の作品にあたる『Genius of Bud Powell』も聴いたら、さすがに前期作品二連発はしんどかったようで、疲れてしまった。でも、本当はそれで疲れてるようじゃいけないのかもしれないけれど。

まあそんなわけで、また気合いを入れたい気分になる時まで、しばらく神棚にでも飾っておくことにしようかな。

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この投稿は 2010年8月21日 土曜日 11:00 AM に ジャズ カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 コメントを残すか、ご自分のサイトからトラックバックすることができます。

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