ザッパ作品紹介/オン・ステージ VOL.1

本シリーズは、ザッパのこれまで蓄積された音楽の中から、未発表ライブ音源を収めたものだ。編集あり、しかしオーバー・ダブはなし、という構成になっている。ここで編集といっているのは、他のテイク同士を繋ぎ合わせて1つのテイクにする類いのことである。

この第一弾は、時期的には60年代から80年代までのライブが満遍なく収められている。

個人的に大感激なのは、ワン・サイズ期「アイム・ザ・スライム」「ビッグ・スウィフティ」ライブ版が聴けることだ。ラルフ、チェスターのツイン・ドラムにトムのベース。うーん、このバンドはやっぱりカッコイイ。こういうのを聴いてしまうと、この時期の発掘音源がさらに出てくることを、切に祈ってしまう。

「拷問は果てしなく」のザッパのギターソロも魅力的だ。以前、何かの本で、ザッパが「ブルース・ギタリストは意味を考えて弾いている」というような主旨の発言を読んだことがあるのだが、このギターからはそのような深淵な表現力を感じる。テリー・ボッジオのドラムも、まさにロックそのもので大興奮させてくれる。

82年バンドの「ゾンビー・ウーフ」も凄く面白い。ワン・サイズ期のオリジナルより、アホ度数があがってる。なにか色彩豊かな絵画のスライドー・ショーでも観ているようで、わずか5:39という時間の中で、様々に展開していく様はドラマチックだ。ギターが爆撃機のようにかっ飛んでて、カッコイイ。

ジョーのガレージ・バンド「ドント・イート・ジ・イエロー・スノー」の20分メドレーも貴重だ。

ある時期のザッパを好きになったのだけど、他の時期の音楽も、手っ取り早く概観しときたい、というせっかちな方には大推薦のブツだ。

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オン・ステージ VOL.1の曲名 アマゾン