本作は70年代初期、タートル・マザーズ期ツアーのドキュメント。メンバー達のおしゃべりや楽屋騒ぎなどが収録されている。録音魔でしられたザッパが、ポータブル・レコーダーで収録していたもの。バンド演奏も半数近く、含まれている。

ザッパ自身の解説によれば、「本作は、1970年代始めのツアーの世界を疑似体験する機会を、若いミュージシャンたちに与える作品だ。」とある。

だが本作の聴きものは、なんといっても、フィルモア・イーストでのジョン＆ヨーコとの共演と、「ビリー・ザ・マウンテン」の30分版だろう。

フィルモア・イーストのテイクは、既にジョン＆ヨーコ『サムタイム・イン・ニュー・ヨーク・シティ』（旧仕様CD）に収められているが、本作ではサムタイム版とミックスが異なっている。また、サムタイム版では「キング・コング」が入ってくる部分があるのだが、こちらではカットされてる。できれば、ザッパのミックスで完全版を聴きたかった。

それ以外の、数曲で聴かれるバンド演奏は、タートル・マザーズ・ファンには嬉しいところだろう。

しかし、ただのおしゃべりが多いうえ、CD2枚組なので、コンプリート・コレクションを目指してる人、タートル・マザーズ・ファン、ビートルズ・マニア以外には必要ない盤かもしれない。