ザッパ作品紹介/フィルモア・イースト・ジュン1971

惜しくも、必聴盤5選からもれてしまった、本サイトでいうタートル・マザーズのライブ盤。

わたしがこのアルバムを好む理由は、前衛ロックの旗手として名をはせた、オリジナル・マザーズの空気感を残しつつ、フロー&エディの歌声を堪能できる、きわめて強力なロック作品と思うからだ。サンフランシスコのサイケ・ロックや、ブルース・ロックなどの、いわゆる60年代ロックが好きな人には、この作品はとっつきやすいだろう。

1曲目の「Little House I Used to Live in」はオリジナル・マザーズの在庫処理的アルバム『バーント・ウィーニー・サンドイッチ』に収められていた曲。オリジナルでは、ドン・シュガー・ケイン・ハリスのバイオリン・ソロが聞ける、大作だ。こんな曲が、ライブでいきなりはじまるのだから堪らない。目まぐるしいキーボードの音色、空気感は、まさしくザッパだ。

その後、6曲目まで、ノンストップで続いていくのだが、地声・裏声をつかいこなしたフロー&エディの、シアトリカルなパフォーマンスが、わたしを激しく、奮い立たせてくれる。

その他、タートルズの「ハッピー・トゥゲザー」大合唱や、『ホット・ラッツ』収録の名曲「ピーチズ・アン・レガリア」のライブ・ヴァージョンなども聞きどころ。ドン・プレストンのミニ・ムーグ・ソロがあるのもうれしい。

この手のものなら、もっと聞きたい、発掘を望む、ライブ音源だ。

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