ザッパ作品紹介/200モーテルズ

本作は、ザッパ総指揮のもとに製作された、ファンタジー・コメディ映画『200モーテルズ』のサウンド・トラック。ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラをフィーチャーした、現代音楽路線の作品。サウンド・トラックとはいっても、楽曲は映画の登場順にはなっておらず、アルバム用に再構成されているので、音楽作品として鑑賞できるように仕上がっている。

バンドは、フロー&エディー在籍時のタートル・マザーズ。ちなみに映画には、リンゴ・スターとキース・ムーンが出演している。

内容的には、エドガー・ヴァレーズやストラヴィンスキーが好きだったザッパの現代音楽趣向が全開した作品といえるだろう。

オープニングは「ベルリンの休日」(『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』収録)に出てくるテーマの一つを再構成したものが使われている。また、スコアの一部は『アヘッド・オブ・ゼア・タイム』の前半に収められているオーケストラ曲のものが使われている。(後に「ボーガス・ポンプ」として拡大/再構築された。)

個人的には、(あくまで個人的です。根拠はありません。)これぞ、「The ザッパ」といった感じを受け、大変好きな作品。なんというか、佇まいが凄く好き。

オーケストラをバックに、フロー&エディーの歌声を堪能できるのは嬉しいし、途中に挿入されているカントリー調の「ロンサム・カウボーイ・バート」も味があって、面白い。また、アルバム最後を飾る「ストリクトリー・ジェンティール」は、ヴォーカル入りで感動的なフィナーレだと思う。

ロック・ファンには不向きとされるアルバムだが、コレクションには必要不可欠な重要作品。

なお、前述の「ボーガス・ポンプ」や「ストリクトリー・ジェンティール」は、後にたびたび再演されている。

関連アルバムとして、『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』『アヘッド・オブ・ゼア・タイム『オーケストラル・フェイバリッツ』『ロンドン・シンフォニー・オーケストラ VOL. 1&2』も併せてお楽しみあれ。

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200モーテルズの曲名 アマゾン