ザッパ作品紹介/ランピィ・グレイビィ

ザッパ初のソロ作で、もともと、オーケストラのために用意した曲を解体/再構成した作品。お喋り、豚の泣き真似、現代音楽、映画音楽風楽曲などの様々な素材がモンタージュされた、やりたい放題、愉快痛快な作品となっている。

全体的な感触としては、アンクル・ミートの前哨戦といったラフな面持ちである。ちなみに『いたち野郎』収録の「Oh No」、『アンクル・ミート』収録の「King Kong」は、本作が初出。

ザッパの語り、お茶目なイントロの出だしからして、もうザッパ・ワールドを満喫できる。個人的には、現代音楽してる領域が特に好きだが、その他の部分でも、クラシカルなメロディーやファニーなフレーズなどが飛び出し、色々面白い。

それにしても、ザッパ程、常に緊張と緩和のバランスを大事にしたアーティストはいないのではないか、とつくづく思う。これだけバラバラの素材も、ザッパの手に掛かると音楽作品として成立してしまうのだから。このようなバランス感覚は、ザッパの全作品を貫いていると思う。

ダダを好んだザッパらしく、破壊的馬鹿力を感じる作品。あまり話題にのぼらない作品のようだが、ザッパ狂には欠かせぬ盤であること必定だ。

 戻るザッパ入門TOP
ランピィ・グレイビィ アマゾン