1970年の母の日、ザッパは書きためてあったオーケストラ用の作品を、ロサンゼルス交響楽団、ズービン・メータの指揮によってステージ化した。この観客の中に、元タートルズのフロー&エディがいた。彼らはザッパの楽屋を訪ねていった。ここから70年代の、本サイトでいうところの「タートル・マザーズ」がはじまるのであった。
その他のメンバーはというと、アルバムによって若干異なるが、列記してみると、ザッパ、エインズレー・ダンバー、ジム・ポンス、ボブ・ハリス、マーチン・リカート、また、旧マザーズのメンバーでもあったイアン・アンダーウッド、ドン・プレストン、ジミー・カール・ブラック、また次のワン・サイズ・マザーズでも活躍するジョージ・デュークなど。
音楽性はというと、フロー&エディというヴォーカルコンビを前面に配した、シアトリカルなロックといえるだろう。ファニーサウンドと称される、ロック色と旧マザーズの前衛色を合わせ持った、ユニークなサウンドが魅力だ。
また、この時期『200モーテルズ』という映画も制作し、サウンドトラックも発表した。ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラと共演した豪華作だ。映画にはリンゴ・スター、キース・ムーンも出演している。
1971年12月10日、ロンドンのレインボー・シアターでステージに登ってきた男に襲われ、オーケストラ箱に突き落とされる。全治6ヵ月の重傷。
フロー&エディは去り、復活作として、インスト主体の作品『ワカ・ジャワカ』(1972年)、『グランド・ワズー』(1972年)を発表。この2作はビッグ・バンドものの傑作として名高い。
そしてこのあと、空前絶後のワン・サイズ・マザーズのはじまりとなる。
上段左からポンス、ヴォルマン、ケイラン、中段左からダンバー、アンダーウッド、プレストン
下段ザッパ
(左)チャンガの復習
(右)フィルモア・イースト、June 1971
(左)200モーテルズ
(右)ジャスト・アナザー・バンド・イン・LA
(左)ワカ・ジャワカ
(右)グランド・ワズー