デビュー時のメンバーは、フランク・ザッパ(ギター)、レイ・コリンズ(リード・ヴォーカル)、ロイ・エストラーダ(ベース)、ジミー・カール・ブラック(ドラムス)、エリオット・イングバー(ギター)。エリオット・イングバーはこのアルバムのみで脱退(クビ)してしまう。
セカンド・アルバム時には、ビリー・マンディ、ドン・プレストン、モーターヘッド・シャーウッド、バンク・ガードナーが加入。さらにその後イアン・アンダーウッド、アート・トリップ、バズ・ガードナーがメンバーに加わり、前衛ロックの旗手、マザーズの黄金メンバーが勢揃いする。レイ・コリンズは途中、出入りがあったが、名作『アンクル・ミート』では復帰し、見事な歌声を聞かせてくれた。
この時期のスタジオ作品は、ザッパのソロ名義2作も含めると9作品。ライブ音源は『アヘッド・オブ・ゼア・タイム』
『オン・ステージVOL.5』で聞くことができる。
特にライブ音源からは、前衛ロックの旗手としてのマザーズの姿を窺い知ることができる。音楽はフリージャズがかり、そこに音楽劇などが加わり、超ロックバンドに変貌してしまった。
当時、ザッパはこのメンバーでのツアーを『ザ・ヒストリー・アンド・コレクテッド・インプロヴィゼイション・オブ・マザーズ・オブ・インヴェンション』と題してLP12枚組で発売する構想を持っていたが、実現はされていない。その中の2枚をスタジオ編集したものが、在庫処理的アルバム『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』『いたち野郎』といわれている。この種の音源なら、死ぬほど聞きたいと思うザッパ・ファンはわたしだけではないと思う。
また、リトル・フィートのローウェル・ジョージも一時期、在籍していた。(『オン・ステージVOL.5』『いたち野
郎』
で聞くことができる。)
バンドは1969年8月16日のステージを最後に解散した。
バンド解散後、ソロ作として、ジャズ・ロックの名盤『ホット・ラッツ』(1969年)を発表。ホット・ラッツ・バンドでライブも行った。
上段左からマンディ、エストラーダ、コリンズ、プレストン、下段左からカール・ブラック、ガードナー、ザッパ
60年代の傑作
アンクル・ミート
(左)アヘッド・オブ・ゼア・タイム
(右)オン・ステージVOL.5
(左)バーント・ウィーニー・サンドウィッチ
(右)いたち野郎
(左)リトル・フィートの代表作 「ディキシー・チキン」
(右)ローウェル・ジョージ
ジャズ・ロック名盤
ホット・ラッツ