デビュー時のメンバーは、フランク・ザッパ(ギター)、レイ・コリンズ(リード・ヴォーカル)、ロイ・エストラーダ(ベース)、ジミー・カール・ブラック(ドラムス)、エリオット・イングバー(ギター)。エリオット・イングバーはこのアルバムのみで脱退(クビ)してしまう。
セカンド・アルバム時には、ビリー・マンディ、ドン・プレストン、モーターヘッド・シャーウッド、バンク・ガードナーが加入。さらにその後イアン・アンダーウッド、アート・トリップ、バズ・ガードナーがメンバーに加わり、前衛ロックの旗手、マザーズの黄金メンバーが勢揃いする。レイ・コリンズは途中、出入りがあったが、名作
『アンクル・ミート』では復帰し、見事な歌声を聞かせてくれた。
この時期のスタジオ作品は、ザッパのソロ名義2作も含めると9作品。ライブ音源は
『アヘッド・オブ・ゼア・タイム』『オン・ステージVOL.5』で聞くことができる。
特にライブ音源からは、前衛ロックの旗手としてのマザーズの姿を窺い知ることができる。音楽はフリージャズがかり、そこに音楽劇などが加わり、超ロックバンドに変貌してしまった。
当時、ザッパはこのメンバーでのツアーを『ザ・ヒストリー・アンド・コレクテッド・インプロヴィゼイション・オブ・マザーズ・オブ・インヴェンション』と題してLP12枚組で発売する構想を持っていたが、実現はされていない。その中の2枚をスタジオ編集したものが、在庫処理的アルバム
『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』『いたち野郎』といわれている。この種の音源なら、死ぬほど聞きたいと思うザッパ・ファンはわたしだけではないと思う。
また、リトル・フィートのローウェル・ジョージも一時期、在籍していた。(
『オン・ステージVOL.5』、
『いたち野
郎』で聞くことができる。)
バンド解散後、ソロ作として、ジャズ・ロックの名盤
『ホット・ラッツ』(1969年)を発表。ホット・ラッツ・バンドでライブも行った。