ザッパ作品紹介/シング・フィッシュ

アイク・ウィリスがシング・フィッシュという狂言回しに扮して、展開されるミュージカル巨編。LPでは3枚組、CDでは2枚組となるもの。ザッパ作品中もっとも“語り”が多いアルバムである。ストーリーに基づく作品としては、『ジョーのガレージ』の延長としても捉えられるが、しかし実際の聴いた感触はそれとは全く異なるものだ。

普段わたしは、ザッパの全作品を許容する、という姿勢でザッパ作品を聴いており、そのような態度でこのHPを作っているつもりではあるが、しかし正直いって、この作品はキツイ。

とにかく“語り”がキツい、キツすぎる。のっけのプロローグからしてキツい。
『ジョーのガレージ』の出だしとは大違いだ。)

内容は既出のテイクと新曲をBGMに、ひたすらアイク・ウィリスがしゃべってる、といったところなのだが、特にわたしが違和感を感じるのは、既出曲にしゃべりが乗るタイプのものだ。歌詞の内容が分かる英語圏の人はどうだか知らないが、わたしのような、ただ耳で聴いて楽しんでる者にとっては、しゃべりと音楽が合ってないとしか認知できず、聴いててもつまらない。

たぶん、コアなザッパ・ファンのあいだでも、この作品の評判は悪いんじゃないだろうか。『ジョーのガレージ』のような内容を期待して買うと、痛いめにあうことになる。

ザッパ入門最初の一枚には絶対に聴いてはならない作品。コンプリート・コレクションを目指す人以外は買う必要はない、といっても過言ではないだろう。

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シング・フィッシュの曲名 アマゾン