オリジナル・デラニー&ボニー(1969)
今日、このブログでどの作品を取り上げようかと、いろいろ棚からディスクを取り出し適当にかけていたら、たまたまこの作品に行き着いた。
ブラムレット夫妻によるスワンプ・ロックの傑作、『オリジナル・デラニー&ボニー』。
ブラムレット夫妻はエリック・クラプトンと一緒にイギリス・ツアーをしたことで一躍脚光を浴びたソウルフルな白人デュオ。クラプトンはこの時のツアーのメンバーと一緒にデレク・アンド・ドミノスを結成し『いとしのレイラ』をつくったというのは有名な話。
それでこの作品なんだけど、もう黒いリラックスとでもいうべき佇まいの、膨よかで豊穣なサウンドが大変心地よい。
ブラムレット夫妻のソウルフルなボーカルは、この黒いサウンドにも音負けしてなくてカッコイイし、とくに僕の心の琴線に触れるのは品の良いホーンの音色。耳に痛くなく、自然な感じで全体のサウンドに馴染んでる。賑やかなんだけど、ヤカマシイという感じがしないのがいい。
そういうサウンドの盤ってなかなか無いんだよね。音楽自体は好みなんだけど、音がシャープ過ぎてアーシーさが感じられないなあと思う盤って結構ある。ちなみに僕の持ってるCDは89年に再発された日本盤。今売ってるCDは未確認なので同じように聞こえるかはちょっと分からないけど…。
それとこの作品には後に有名になるスターがメンバーに名を連ねてる。レオン・ラッセル、ドクター・ジョン、リタ・クーリッジなど。それとジム・プライスとボビー・キーズはストーンズの作品にも参加してるので、ストーンズ・ファンにはお馴染みかもしれない。
こうしたメンバーで繰り出される音楽だから悪いわけがない。このゆとりある音世界に身を委ねれば、天国に行けること間違いなし。アメリカン・ロックの金字塔といっても過言ではないだろう。