クラス『 Stations of the Crass』(1979)
クラッシュのライブに感銘を受けて1978年に結成されたクラスのセカンド・アルバム。このバンドがパンクファンの間でどれだけ有名かはしらないけど、一般的な知名度はたぶん低いだろう。自身でレーベルを立ち上げ、結成当初から1984年ですべての活動を停止すると宣言して、本当に解散したそうだ。
僕はあまりロンドンのパンクにのめり込んでこなかったけど、これは一発で気に入った。
パンクなんだけど、ガチャガチャやかましいというようなサウンドじゃなくて、美しくひずんでいる。なんといっても軽快なマーチング・ドラムとノイジーなギターが織りなすサウンドが非常に心地よい。そしてボーカルはパンクそのもの。
この歪んだ美しさを毎日味わったら、理性を突き抜けて深層心理から人間を覚醒をするんじゃないだろうか、という気にさえなってくる。
1曲目の「マザー・アース」の出だしからして、もうGOOD。ノイジーギターに喋るが入り、ベースが入ってくると既に覚醒状態。それに「マザー、マザー」と叫ぶボーカルが凄い。ときおり声が裏返るところもあって、感情表現たっぷり。
ところで僕は以前、パソコンを買ったらすぐに熱暴走をおこし返品したことがある。その際、電話口で販売店と戦ったのだが、店員がこちらを素人だと思って、「コンピュータはデリケートな機械です。マザーボードを取り替えてみてください。」なんていうフザケタことを言って応戦してくるので、これまでの人生でこれほど怒ったことはないっていうくらいに本気で爆発したら、声が裏返ってしまったことがある。人間本気で怒ると声ってひっくり返るものなんだということが初めてわかった。
まあ、このボーカルはあくまでパンクの唱法としてやってるのだろうけど…。
それはさておき、このバンドはすぐにお気に入りになって他の作品も数枚買ったのだけど、なかなか聴ききれなくて棚に眠ってる。これを機にちゃんと聴いてみることにしようかな。