ザッパ作品紹介/ズート・アリュアーズ

ロックな作品。ほとんどザッパとテリー・ボジオの2人で録音されていて、ザッパも複数の楽器を担当。ジャケに写っているエディ・ジョブソン、パトリック・オハーンは、実際のレコーディングには参加していない。

本作の目玉は、なんといっても大阪公演からのテイクで、ザッパのギターソロの最高峰と評される「ブラック・ナプキンズ」だろう。日本のザッパ・ファンにとっては、まさに歴史的記録といって良いだろう。

「拷問は果てしなく」はビーフハートの生活をうたった歌。本作ではザッパがヴォーカルをとっている。ビーフハートがヴォーカルをとったオリジナルは、『オン・ステージ VOL.4』に収録されている。

「ズート・アリュアーズ」はギターが美しいインスト曲。特にイントロは、思わず息を潜めてしまうくらい、うっとりするような美しさだ。これは必聴曲だろう。ただ後半、インプロに来たと思うと、フェイド・アウトして終わってしまうのは非常に残念だ。

以上の目玉曲と残りの曲も含めて、本作はロック色が濃く、一般的には聴きやすい部類に入るかと思われるが、しかし、わたしはこの作品をあまり好きじゃない。

というのは、全体的にサウンドが籠りぎみなのが好きじゃない。それに加えてザッパのヴォーカルもネバネバしてるし、なんだかいつものザッパらしい抜けの良さがない。モワァっとした変態臭が曲の美しさを汚染してしまってるように思う。

なので、わたしは、全然違うサウンドをイメージしながら聴くことにしている。そうすると結構、ザッパらしい良い曲だなと思えてくる。できれば、もう少し素直なサウンドに仕上げて欲しかった。

他に良い作品はいくらでもあるので、正直、ザッパ入門としてはあんまり薦めたくない作品。ザッパを好きになった後に聴けば良いかと思う。この時期の作品なら、代表作『シーク・ヤブーティ』をオススメしたい。

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ズート・アリュアーズの曲名 アマゾン