ソニック・ユース『The Eternal』(2009)
オルタナ界のストーンズ、ソニック・ユースの今年発表された新作。僕がソニック・ユースの新譜を買うのは確認してみたら実に9年ぶりだった。最後に買ったのは『NYCゴースツ&フラワーズ』(2000)で1回聴いてあまりピンとこず、それ以来、僕のソニック・ユース熱も知らないあいだにフェードアウトしていたのだった。
この作品は数カ月前にタワーレコードの試聴機に入ってたのをたまたま見つけて、「あっ、ソニック・ユースだ。元気なの?(失礼!)」と思ってためしに少し聴いてみたら気に入ったのでその場で買ってみた。
日本盤の帯には「USオルタナ最重要バンド、20年振りにインディーシーンにカムバック!」って書いてあり、実際聴いてみてすぐに「ソニック・ユースらしい」と思った。
月並みな言葉で恐縮だけど一言でいって「ロックしてる」。それとインディ時代の空気感を感じさせつつ、しっかり聴かせる音楽(曲)をやってるといった感じ。良い意味で曲をやってるっていうところが僕は気に入っている。曲のつながりも良くアルバムとしてまとまっていると思う。
バンドにとっても自信作のようで、日本盤にはサーストン・ムーアによる解説が掲載されている。ポイントになる部分を抜粋しておこう。
「このアルバムに収録された12曲には、これまでのソニック・ユースの全てが凝縮されている。初期のノー・ウェイブな攻撃的サウンドから、90年代の過激なコード進行と曲構成、ここ5年間程のより焦点の定まったコンテンポラリーな音楽的訴求…それらが全て花火のように展開しているのがこの作品だ。」
作った本人がこのように言ってるんだから間違いないでしょう。僕が言うこと何もなし。ソニック・ユースを聴いたことない人には聴きやすくて良いと思う。
ただ、サウンド面に関しては不満がある。ジョン・アニエロというエンジニアとバンド自身でミックスを行ったとのことなんだけど、かなりモッタリしたサウンドになってる。まったりじゃなくて、モッタリ。
どうしてこういう風になってしまうのだろうか。こもり気味のドラムの音を聴いてると、体がムズムズして居てもたってもいられなくなる。自分でどうすることも出来ないので凄くもどかしい。
それにしても、これだけキャリアが長いバンドにも関わらず衰えを感じさせないのは素晴らしい。今回の作品はソニック・ユースというバンドが純粋に魂を磨いていって出来た産物だ。